薬学博士のひとりごと

日常や研究で感じたことをつたない文章で綴っています

ブログを引越しします

ほぼ放置していたこのブログですが、記事をほとんど書かずに放置していたのには実は理由があります・・・!

 

それはずばり

 

レイアウトが好みのものにできないから!!

 

です。

 

なんとなく使いにくいなぁと感じて、ずるずると放置しておりました。。。

 

そこで、今回思い切ってブログをお引越しすることにいたしました。

ライブドアブログがなんとなくおしゃれそうなのでそちらに移動します。

移転先はこちら↓↓

あんぽんたんの脳科学

 

こちらのブログで、企業研究員の日常や、就活関連の情報など、大学生・大学院生の後輩の人たちに役立つ(かもしれない)情報を発信していければな、と思います。

 

どうぞよろしくお願いします。

学振 面接の話

学振(DC-1, DC-2)はたいていの場合、書類だけで合否が決まりますが、ときどき私のように面接が課される場合もあります。

合格率は分野にもよるし、年にもよるみたい。

私の時は、後で計算したら(辞退が0として計算)だいたい50%くらいの人が面接を通過して採択されたみたいです。

昔はポスターのようなものを使用したようですが、今はスライドになりました(私の時もスライドでした)。

発表時間は4分しかないのに、含めないといけない内容はとんでもなく多かったので何度も原稿を考え、時間をオーバーしないように練習しました。

「よろしくお願いします。〇〇大学からきました、△△です。」

という部分が発表時間に入るかどうかで一言追加できるかどうかが変わるので、2パターン考えていきました。

結果からいうと、大学名や名前を告げた後に「ピッ」というストップウォッチの音が聞こえたので、最後に入れたかった一言を入れることができました。

その伝えたかった一言の部分について、質問も飛んできたので入れることができてラッキーでした。

 

質問については、ネットに書いてあった情報通り、正面にメインの人が2人いて残りの人はただ聞いているだけといった感じでした。

奇抜な質問はなく、技術的な質問が2つくらいと残りは全部研究の内容や背景、方向性に関する質問でした。

私の場合、自分の研究とラボの代表的な仕事が直接つながっていないのですが、将来的にどういうふうにつながりそうかということを暗に聞いてそうな質問もありましたのでやはり自分のラボの過去の仕事についてはしっかり理解をしておくことはマストであると思います。

また、私は医療系の分野の研究をしていますので、「本当に自分の仕事が今まさに苦しんでいる患者のための道を切り開くものなのか」つまり、ほかのどの研究よりも真っ先に投資する価値があるのかという視点は重要だな、と感じました。また、研究の重要性を他人にわかってもらえるように伝える技術ももっと磨いていきたいところです。

もし自身の研究がブレイクスルーを起こす研究というよりも、研究のための研究のようなもの(モデルをちょっと変えてやりましたとかのような)であればそもそも書類で落とされる可能性が高いように思いますので、申請書の段階から考え直す必要があるかもしれません。

 

スライド内容についてですが、確か以下のことを内容に含めるような指示があったと思います。

・研究業績

・ラボのこれまでの研究内容

・研究の課題

・研究の特徴・優れている点

・研究計画

・研究の意義(波及効果)

 

めっちゃ多いです。そしてこれを4分でプレゼンするのです。1分に350字程度話す計算だと発表内容を原稿におこすとおよそ1400字(少ない・・・!!)

 

控室の後ろのほうにスライドチェックをするような箇所があり、ほかの人のスライドをちらちら見れるのですが、皆さん律儀に指示された順番どおりに、これらを1枚1枚別々のページにしてスライドを作っていました(ほぼ全員こんな感じでした)。だから、スライド枚数でいうと6枚くらいの人がほとんどでした。

たまたま見かけたある人の流れとしては、

「私はこれまで〇〇や□□について研究してきました。今回の研究は特に1番の研究と関連したものなので、1番について詳しく説明します。~~~」

という感じでした。

私はあまり業績もなく、これまでの研究とも全く関係ないテーマで学振の研究計画を作成したので、あえてそのようなつくりにはしませんでした(時間が足りなくなるので)。

研究対象にしている疾患の説明を1ページ目にいれ、その疾患に関するラボのこれまでの仕事を説明し、そのあとで課題、および解決方法を説明しました。

時短のために課題解決方法を説明するスライドの下の空いたところに研究業績をいれ、研究業績に対する言葉での説明は一切しないようにしました。

学振申請後に、申請内容に関するデータがちょっと出たのでそれで学会に出たため、そこの部分は色を赤にしておきました(〇〇大会で優秀発表賞をとったよ、申請内容はわりと学会でも面白い研究って思ってもらえてそうだよってのをアピールしているつもり笑)

 

ほかの人とスライドの作り方が全然違ったので失敗したかなぁと思っていましたが、採択されたのでおそらくこんな流れのスライドでも問題ないみたいです。ちなみに私はスライド枚数9枚でした。ちょっと多め。

学振(DC-1)を取った後のお話し(お金について)

学振申請書を作成する上での注意点に関することや面接に関する情報はわりとたくさんの方々がブログ等にまとめていてくださっていますが、学振を取った後に注意することについては思ったよりネット上の情報が少ないように思います。

学振特別研究員は日本学術研究会と雇用関係にないため、ただでさえ同年代の人たちと比べて金銭的な余裕がないと思いますので、後輩の人たちが少しでも損をしないように私が学んだことをまとめてみようと思います。

 

【科学研究費補助金交付申請書】

学振に採用されると、特別研究員奨励費(お給料)と科学研究費補助金(研究費)が支給されます。

通常、科学研究費補助金は100万円以下の額が支給され、理由書を作成すると最大150万円交付されます。金額は採択年の学術振興会の予算によるらしく、80万×3年の人もいれば、60万×3年のときもあります。いずれにせよ、満額の100万円が支給されることはまずないみたいです(教授たちが申請する基盤Aとかの予算もそうですよね)。

この予算は研究にお金がかかる実験系の人も、そんなにかからないような文系の研究でもほとんど同額支給されるらしく(私の時は数学科の友人のほうが年間10万円程度低かったけど)、正直私の所属していたラボのように動物を使用する研究と、非実験系の研究を行う人とでは額に差をつけてもいいのではないかと思っています。

私も後から知ったのですが、実験系(特に医療系で動物実験を伴う研究)の人は理由書を作成し、特別枠での申請を行うと思っているよりも高確率で特別枠として採択されるみたいです。

実際に、私は自分の後輩には申請するように薦めているのですが、2人申請して2人とも特別枠で少し多めに予算をもらうことに成功しています。

 

科学研究費補助金は実験試薬を購入することにも当てることができますが、学会の旅費に使用することも可能ですので増額が認められると旅費が高い国際学会にも参加しやすいかと思います。

しかも、特別研究員として学会に参加するほうが、一日当たりの日当が1000-1500円程度多めに支給されるというメリットもあります(いくら多くなるかは大学毎の定めによる)。

特別枠として採択されなかったとしても、通常枠で必ず予算はもらますし、減額されることもありませんので、理由書を作成して特別枠に申し込むことを強くお勧めします。

 

【研究遂行経費申請】

こちらが一見ややこしい。私の周りもよくわからないから申し込まなかったという人がたくさんいます。

結論から言うと、1人暮らしの人は申請しないと10万円以上損をしますので絶対申請すべきだと思います。

(※ただし、実家暮らし等で独立生計でない人を除く)

 

申請すると多くのメリットがあります。

①自己負担した研究関連の買い物を経費扱いにできる。

例えば、研究費で購入できなかった研究に関連する本や学会の年会費、文具、研究用の個人所有PC、ソフトを遂行経費で支払うことができますので、所得税上お得になります。

修士のときまでは完全に自己負担でしたがこれらは意外とバカになりません。

もちろん、研究で使用する文具などは研究室の予算で買ってもらえるというお金持ちのラボに所属している人はあまり①の理由では得をしないかもしれません。そのため、申請しない人が多いのだと思います。

でも実は、2番目以降の部分でかなり得をするのです。

 

源泉徴収票に記載される所得が240万から168万に代わるため、授業料免除が通りやすくなる!

実はこれがかなり大きかったです。

私の大学は授業料免除の基準が以下のようになっています。

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(1人世帯の場合)

全額免除:104万以下

半額免除:168万7千円以下

1/4免除:282万円以下

 

つまり、遂行経費の申請をしなければ年間授業料は1/4免除の約40万円、していれば半額免除の約26.5万円となり、年間13万円も授業料が変わることになります。

と、とんでもない違いだーー!!

 

遂行経費は使い切らなかった分、所得税を追微調整されるのですが使いきれなかった額の3%くらいが徴収されるだけなので、全く使用しなかった場合でもだいたい2万円程度徴収されるだけになります(最終年度は10%の徴収になりますが、それでも7万円程度)。

自分の場合も完全に使いきれはしなかったので、1-2年目はどちらの年も1万円程度後から徴収されました。

 

免除基準は大学毎に違いますが、このように授業料の支払いが10万円以上変わるケースもあることを知ってもられば、と思います。

 

③勤労学生控除が使えるようになる!(1年目だけ)

勤労学生控除に関しては以下のブログに詳しく書いてありますのでご参照ください。

学振に申請すべき3つの理由と、申請して落ちた時にすべきこと - ある生物系博士課程大学院生の日記

勉強したこと覚え書き (学振) DC1 1年目の勤労学生控除について

 

ようは、これらの控除を受けることができるかどうかの計算は1-12月分の所得で行われるけども、1年目は4月-12月分しか給与を受け取っていないので申請することができる裏技のようなものです。

勤労学生控除を受けることができると、翌年の住民税と国民健康保険料が大きく影響を受け、納めないといけない額が大幅に低下します。

申請しないのとするのとで、その違いは大きく年間で10万円は浮かせることができます(具体的な額は忘れましたが、かなり違います)。

 

①~③を合わせると、年間25万円は差がでてくるのではないでしょうか。

学振特別研究員はバイトや副業を行ことができないため、収入を増やすことはできません。

が、このように支出を減らすことはできそうです。

 

将来の日本を背負うであろう人達が多く採択されている学振ですが、その待遇は決して良いとは言えません。

冗談混じりか、はたまた本気か生活保護と比較されるほどのようです。

学振vs生活保護 - Togetter

 

実際、生活はカツカツですし、特に家賃や物価が高い東京に住むような人であればたとえ病気になっても満足に病院にもいけないような生活を強いられるケースもあると思いますので、確かに生活保護よりも待遇は悪いと思います。

このブログを読むことで少しでも経済的に損をしないようになるのであれば非常にうれしいです。