薬学博士のひとりごと

日常や研究で感じたことをつたない文章で綴っています

学振 面接の話

学振(DC-1, DC-2)はたいていの場合、書類だけで合否が決まりますが、ときどき私のように面接が課される場合もあります。

合格率は分野にもよるし、年にもよるみたい。

私の時は、後で計算したら(辞退が0として計算)だいたい50%くらいの人が面接を通過して採択されたみたいです。

昔はポスターのようなものを使用したようですが、今はスライドになりました(私の時もスライドでした)。

発表時間は4分しかないのに、含めないといけない内容はとんでもなく多かったので何度も原稿を考え、時間をオーバーしないように練習しました。

「よろしくお願いします。〇〇大学からきました、△△です。」

という部分が発表時間に入るかどうかで一言追加できるかどうかが変わるので、2パターン考えていきました。

結果からいうと、大学名や名前を告げた後に「ピッ」というストップウォッチの音が聞こえたので、最後に入れたかった一言を入れることができました。

その伝えたかった一言の部分について、質問も飛んできたので入れることができてラッキーでした。

 

質問については、ネットに書いてあった情報通り、正面にメインの人が2人いて残りの人はただ聞いているだけといった感じでした。

奇抜な質問はなく、技術的な質問が2つくらいと残りは全部研究の内容や背景、方向性に関する質問でした。

私の場合、自分の研究とラボの代表的な仕事が直接つながっていないのですが、将来的にどういうふうにつながりそうかということを暗に聞いてそうな質問もありましたのでやはり自分のラボの過去の仕事についてはしっかり理解をしておくことはマストであると思います。

また、私は医療系の分野の研究をしていますので、「本当に自分の仕事が今まさに苦しんでいる患者のための道を切り開くものなのか」つまり、ほかのどの研究よりも真っ先に投資する価値があるのかという視点は重要だな、と感じました。また、研究の重要性を他人にわかってもらえるように伝える技術ももっと磨いていきたいところです。

もし自身の研究がブレイクスルーを起こす研究というよりも、研究のための研究のようなもの(モデルをちょっと変えてやりましたとかのような)であればそもそも書類で落とされる可能性が高いように思いますので、申請書の段階から考え直す必要があるかもしれません。

 

スライド内容についてですが、確か以下のことを内容に含めるような指示があったと思います。

・研究業績

・ラボのこれまでの研究内容

・研究の課題

・研究の特徴・優れている点

・研究計画

・研究の意義(波及効果)

 

めっちゃ多いです。そしてこれを4分でプレゼンするのです。1分に350字程度話す計算だと発表内容を原稿におこすとおよそ1400字(少ない・・・!!)

 

控室の後ろのほうにスライドチェックをするような箇所があり、ほかの人のスライドをちらちら見れるのですが、皆さん律儀に指示された順番どおりに、これらを1枚1枚別々のページにしてスライドを作っていました(ほぼ全員こんな感じでした)。だから、スライド枚数でいうと6枚くらいの人がほとんどでした。

たまたま見かけたある人の流れとしては、

「私はこれまで〇〇や□□について研究してきました。今回の研究は特に1番の研究と関連したものなので、1番について詳しく説明します。~~~」

という感じでした。

私はあまり業績もなく、これまでの研究とも全く関係ないテーマで学振の研究計画を作成したので、あえてそのようなつくりにはしませんでした(時間が足りなくなるので)。

研究対象にしている疾患の説明を1ページ目にいれ、その疾患に関するラボのこれまでの仕事を説明し、そのあとで課題、および解決方法を説明しました。

時短のために課題解決方法を説明するスライドの下の空いたところに研究業績をいれ、研究業績に対する言葉での説明は一切しないようにしました。

学振申請後に、申請内容に関するデータがちょっと出たのでそれで学会に出たため、そこの部分は色を赤にしておきました(〇〇大会で優秀発表賞をとったよ、申請内容はわりと学会でも面白い研究って思ってもらえてそうだよってのをアピールしているつもり笑)

 

ほかの人とスライドの作り方が全然違ったので失敗したかなぁと思っていましたが、採択されたのでおそらくこんな流れのスライドでも問題ないみたいです。ちなみに私はスライド枚数9枚でした。ちょっと多め。